*多少のネタバレがありますがゲストシーンだけなので本編にはさほど影響しないと思います*
彼女たちを舞台で見るのは初めてだった。AKBINGO!で演技の企画があってそこで向井地美音が高評価だった記憶があるが、舞台での演技はまた違ってくる。なのでメンバーの新たな一面が見られるかもしれないと楽しみだったし、私自身高校で演劇部に所属していたので多少の“眼”はあると信じて見守っていた。
ところでこの日のAKB劇場は岡部チームA「目撃者」公演が行われるようだが、小栗・向井地・岡部・横山を欠いている。大丈夫か...?
初日であるこの日を選んだ理由は、推しメンである瀧野由美子がゲスト出演する回だったからに尽きる。もう一回くらいどこかの回を観たい気持ちもあったがお財布にそれを拒まれた。
(数ある権利の中しっかりとSTU48Mobile会員枠を選択)
席は1階上手寄りの後方。まわりの方々はクソ席だと嘆いておられたが私は別にそうは思わなかった。舞台、ひいては照明などをしっかり観るにはかなり良い席だったと思う。たしかに終演後のミニライブの撮影可能タイムを考えれば最前が良いのかもしれないが、目的を履き違えていないか?観劇における最前は個人的にはあまりメリットはないと思っている。私のオススメは最前は最前でも2階の最前かな。
物販目当てではないが開演の2時間前には会場にいた。私としてはさっさと席に着いてパンフレットなどを眺めて舞台の最終予習をして心を落ち着けたいのだ。開演間際に入ると席によっては人を立たせてしまったりと忙しなくなってしまう。そういう思いはなるべくしたくないのでまずは自分から、ってね。
(ロビーにて)
これは事実だが、劇中のスマホ操作や途中入場はチラホラと見受けられた。こういう行為って集中力を切らすんですよね。途中入場になってしまった都合には少しくらい同情するがスマホはちょっとねえ。
そんなこんなでイヤな気持ちで幕が上がったが、彼女たちに一切の非はないので楽しんで観られた。
「舞台版」と銘打たれているように、ドラマを観ていなくても話が通るような脚本にはなっていた。まあそれゆえドラマを観ている者にはくどいと感じる説明が序盤に多かったのだが。
岡部麟推し(諸説あり)の友人が彼女のモバメを購読しており、「麟ちゃん稽古大変そう」と言っていて、私が購読している向井地美音のメールからはそこまでのものを感じなかったので不思議な感じはしていたのだが、舞台を観て納得できたような気がする。ドラマでは岡部麟演じるヒナがナレーターを兼ねており、その設定は舞台でも生きていたのだ。その分台詞の量、立ち位置、デハケのタイミングなど覚えることが多くなってしまったのだろう。
キャラクターでいうと向井地美音演じるバラ、横山由依演じるエロ先生がドラマと少しだけ違う気がした。ん?エロ先生は少しどころではないか...?
また、舞台版で新たに加わった親衛隊の2人や荒地のメンバーについても概ね違和感なく進行していったと思う。でも卍はどこ行ったんだよって感じはドラマ観てるとしちゃうよね。
ゲストの瀧野由美子氏は何役だったかというと「瀧野由美子」役でしたね。スミレの「なんか卍に似てない?」という台詞には笑わされた。ここのシーンは完全アドリブなのかな?「華組に相談しに来たアイドル」という設定で、「憧れている先輩になかなか会えない」という悩みを持ってきたのだ。最も笑いと拍手が起こったのはスミレの「運営に言って早く船作ってもらいなよ!」だった。激しく同感。ゆみりんの演技もドラマのときよりスキルアップされていたのを感じられて良かった良かった。
(初舞台、お疲れ様でした)
また、エロ先生から「馬路須加女学園」という言葉が出たり、ツヴァイたんの意外なシーンがあったり、林ちゃんがおいしいところで笑い持ってくし、笑いの部分も要所要所に用意されてあった。
ところでこの舞台のジャンルはどこに属するのだろう、とふと考えた。アドリブのトークもあり、途中にダンスパフォーマンスもあり、それもセットチェンジのつなぎという役割をしているところと、ミュージカル的にそのままストーリーとして生きているところがあった。もちろん殺陣のシーンもあった。
殺陣といってもSEを挿入するありがちなやつですけどね...。そこにも使うんかいってところは何ヶ所かあったな。個人的にはSEとか語りとかなくても話がすっとわかるというのがうまい脚本であり演出であると思っている。
殴られて倒れるシーンは私も高2の終わりにやったことがあり、これがまたかなりの自信作である。ちなみにSEの挿入は行っていないはずだ。照明と音響と身体で表現した。これを読んだリア友にはぜひ見せたい。
うーん、全体的に思ったのは「喋りすぎ」ということでしょうか...。いやまあ2時間に収めることを考えると仕方ないといえば仕方ないんですけどね。ヤンキー事情はわかりかねるがたとえば「お前はなぜ戦う?」と問われれば「私は昔〜」より「お前には関係ない」のがしっくりくる気がするんですよね…
冒頭に述べた「新たな一面」という視点だと山内瑞葵ちゃん、上手すぎる。発声が1人だけ全然違くて舞台慣れしている感じがした。ドラマでは気付かなかったのでやっぱり舞台来て良かったなあと。
あとは福岡聖菜ちゃん。良い意味でハマり役がなく、今回のゾンビだって見事にこなすし、違うところではポプテピピックだってやってのけてしまう。本編後のミニライブで見せてくれたゾンビの笑顔でギャップにやられてしまった。衣装は同じでも表情だけで人をも変えられるのだなと、役者って何にでもなれるんだなと、改めて思わされた。
本編が終わり、“皆さんお待ちかねの”ミニライブである(岡部麟ちゃんがマジでそう言った。俺はアイロニーを感じたね)。「言い訳Maybe」(撮影可能)と「マジスカロックンロール」の2曲。クソ席呼ばわりされていたこちらの方にも髙橋彩音ちゃん、福岡聖菜ちゃんが来てくれて目線を頂戴し、しっかり動画に収めた。正直撮影タイムは苦手なのだけど、お2人のおかげで楽しめたと思う。
(ありがとう!!!!)
退場のお見送りは例によってゆみりんのアザージャケットを装備。しっかり指差してくれました。一言くらい話せるかなと期待してたけれど、劇場のロビーなのでワイワイガヤガヤしていて会話は少々キツそうだった。それでも指差してくれただけで大満足ですよ。モバメに「知ってる顔が沢山あった」とあったが、私はそのなかに入れているのかな...?お見送り、愛理とまーやんのときはしっかり話せたけどあれは2人だけだったからだなと再認識。
ところでこのブログ、完全にオタク化すると決める前は日常のことや演劇のことなども書いていて、そこで私がどんな演劇を作ろうと思っているかを一度書いたことがある。それは、幕が下りたら思わず「すげえ...」と漏れてしまうような演劇である。演劇というのは一度観たらそれで終わりなことがほとんどであるので細部までしっかり伝えようというこだわりは全くないわけではないがほぼ捨てた。この記事も書こうと思えばいくらでも細かく詳しく書ける自信はあるが、ブログのために観劇しているわけではないし、ブログのためにメモなど取りながら観劇するのはあまり好きではない。だから審査員とかいうお仕事、本当に可哀相だと思う。
(これがベストだと思っている)
私は一応ある小劇団の主宰をしているのだが、団員諸君はみなこの気概でやってくれていると思う。演者も裏方もだ。もちろんそれは細部を蔑ろにしろというわけではない。こだわりはたしかにある。あるのだが、それは「ここどうだった?」と訊ねるものでもない。幕が上がればすべては観る側の解釈に委ねられる。その解釈だって人それぞれで良いと思う。私が尊敬する作詞家のAZUKI七さんも「歌詞の解釈は好きにしてもらったらいい」「正解の解釈はない」「詞は聴く人がいて初めて曲が完成する」と言っていて、まったく同意見である。
なぜこの話をしようと思ったかというと、同意見のメンバーがいたことがうれしかったからだ。
【総括】
せいちゃんとめぐの株が爆上がりした。