2月の狂気[#3]

 前回投稿で述べた劇場公演とは、2月18日のSKE48劇場のことである。昼にチームE公演、夜にチームS公演と変則日程であった。どちらも応募し、ダブルヘッダーを狙っていたが、当たったのは夜のSのみだった。トレードにも応募し、最後まで望みを繋いでいたが、夜公演のみの参戦となった。おかげで往路はバス移動にできたし、金銭的には助かった節はある。が、ひさびさの4列シートはかなり腰にきた。

 この日のS公演は上村亜柚香さんの生誕祭。僕はチームSに推しはいないが、サイリウムを振るならこの人だろうというメンバーはいる。それが彼女である。現にS初日でも手つなでもオレンジ×白を振ってきた。生誕祭に入れるとは思わなかったが、この日次第では栄に3人目の推しが誕生する予感さえあった。

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 僕は推しとの出会い方を大切にしたい人間である。SKE48 Mobileでは現在「SKE48みくじ」というサービスがあり、毎朝引いているのだが、この日引いたのは上村亜柚香・大吉であった。思えば、竹内ななみさんの卒業公演の日に彼女の大吉を引いたりもした。このような特別な日に限ってはユーザー全員がそうなのかとも思ったが、X(旧Twitter)を見ると人によって全然違ったのだ。僕はこの“何か”にオタク人生を委ねるのが嫌いではない。「舞台は整った。さあ上村亜柚香よ、俺に推させてくれ!」-そんな思いだった。

 結論から言うと、トーク会をポチりはしたものの、推しと呼べるかはまだ怪しい具合である。しかしこの「愛を君に、愛を僕に」公演は素晴らしい演目であり、全人類が観るべきだと今回感じた。初日以来の僕は、この日の劇場で誰よりも「久しぶり」であった。正直、もう初日のことをあまり覚えていないが、今回でいうと北川愛乃さんはどこにいても光るものを感じたし、元気はつらつな中坂美祐さん、かっこよさも備わっているのかと唸らされた井上瑠夏さん、後方からでも存在感を発揮していた荒野姫楓さんなど、ひとりひとりの魅力がたくさん詰まっていて、それを惜しみなくこちらに放出してくれるセットリストであった。またこの日は初のアンダーだった杉本りいなさん、MCで先輩の無茶振りにも物怖じせず突っかかっていく篠原京香さんや森本くるみさん、亜柚香さんとのエピソードを楽しそうに話していた山村さくらさんの4名の研究生が出演していた。きょっぴーとくるみんはKⅡで一度観ていたので、違った姿を見られて楽しかった。研究生始めるならこの2人のどちらかかなと思っている。

 研究生でさえMCでのエピソードに富んでいたのは、亜柚香さんの人柄ゆえなのだろう。歳上の後輩も多いだろうに、さすがである。

 スピーチでは劇場への愛がほんとうによく伝わってきた。その劇場愛は、本人のパフォーマンスや一挙手一投足はもちろんのこと、存在そのものが公演の満足度を上げているのだと感じざるを得なかった。太田彩夏生誕祭のときに、休演となった水野愛理のポジションを1日で覚えてやってみせた彼女には感謝しかない。最近の劇場は上村亜柚香と西井美桜で支えているみたいなところがある。

 僕は純粋にこの演目が好きになった。特に「旅立てジャック」と「LOVE RENOVATION」が好き。だからこそ、ここに推しはいらないと思ったのだ。全員をじっくり観ていたい、チームSは僕にとってそんなチームだ。

 移動の疲れが思いのほかあったようで、この日は死んだように眠っていた。

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つづく