恐怖さえ感じた

 12月23日、高柳明音さんのカレンダーお渡し会のために渋谷へ向かった。乗り換えが嫌いな僕は迷わず成田エクスプレスを選択するが、本題はそれではない。

 高柳明音さんは僕の初めての推しメンであるが、当時の自分は関東在住の小学生であり中学受験生であったため、握手会等に行ったことはなかった。いざ中学生になっても部活が忙しく全握に一度行ったくらいで、高校では坂道を上っていた(爆)。

 再びSKE48に目を向けたのは、世界選抜総選挙での菅原茉椰さんのスピーチに心惹かれたからだった。高校を卒業してお金にも時間にもゆとりができていたこの時期からSKEの個握や劇場公演に行くようになり、その過程で、あるいは茉椰さんの休養時期と重なって、太田彩夏さんに出会った。以降、このおふたりを推しメンとしてオタクの道を歩んできた。

 この2人の握手によく行くようになって思ったのは、2人とも記憶力が半端ないということ。菅原さんは連日開催だったトーク会の2日目に1日目の内容を覚えていてそれを踏まえた話題を提供してくれたり、太田さんは1ヶ月前の自身の生誕祭公演で僕が座っていた場所を言い当てたりと、驚かされる。

 個人的にはオタクの顔や名前を覚えることに脳の容量を使うくらいなら公演の新ポジ覚えるのに使ってほしいなんて思うほどなので、アイドルからの認知は別に要らないが、あちら側からするとひとつ上のステージにいくためには必要なスキルなのかもしれないし、だとすればメンバーで差はあれどある程度通えば自然と覚えてもらえるのだな、とも思った。高柳さんにもそういうオタ活ができたらどうなっていただろうかと考えることはあるが、小学生には現実的でないという結論に落ち着くので後悔などはない。

 では話をお渡し会に戻そう。この手のイベント、思ったより話す時間があるのだなと毎回思う。僕がノープランすぎるのがいけないんですけどね。反省はしません。今回も今回とて何も考えずに待機していた。今思えば舞台の感想など話すネタはいくらでもあった。でも何も考えていないので自分の番になると、会釈的な何かをしながら商品を受け取ろうと無言で手を差し出す。そして彼女からの第一声、

 

 

 

 

「え、ずいぶん久しぶりじゃない?」

 

 

 

 

 理解が追いつかなかった。アイドル時代にそこまで握手に行ったわけでもないし、KⅡ公演では太田彩夏の推しサイを振っていたし、知られるタイミングに心当たりがなさすぎた。おまけにこの日はマスクをしていた。動揺のままに去年のこのイベント以来だと伝えたが、そういえば去年は行けなかったので一昨年のお渡し会以来が正しかった。

 アイドルからの認知は要らないと思っていたはずだが、このときの僕にはうれしさが間違いなくあった。アイドルからの認知ではなくて女優からの認知ということで、その違いはきっとあるだろう。

 卒業後にもこうして会う機会があることに感謝しながら、彼女の出る舞台やドラマをこれからも観ていこうと思ったのであった。

サマステ(勝ち)

 3年ぶりのサマステだそうだ。僕にとっては初のサマステ。SKE48に関しては、例年はチームごとに分かれていたが、今回は、プリマステラ/10期・11期/選抜 という分かれ方をしていた。選抜のみを2枚で申し込んで当選。いつも一緒に参戦するオタクが来られなくなってしまったので、アイドルオタクではないが仲の良い友だち(以下Aとする)を誘って参戦した。

 サマステも初めてだし、六本木も初めてだった僕は、勝手を知るために、今回来られなかった彼が書いた過去のサマステに関するブログを事前に読んでいた。すると現地でその記事に貼られていた画像と同じような掲示を見つけた。それがこちら。

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 僕らは238・239だった。チケット表示のときは相当後ろの番号なのかと落胆したが、これを見るとどうやらそういうわけでもなさそうだった。集合前に会場まわりをひととおり散策して、上手側から入場することがわかっていたので、下手側までいったん進めば前列は狙えると踏んだ。すると予想どおり中央ブロックに行きたい連中やすぐに座席を求める人間は多く、下手側まで進めというスタッフの指示さえあったが、それに従っているオタクのほうが少なかったのではないか。それに従った僕らは難なく下手側の2列目を獲得。そこは普通ならば238番が座れる位置ではなかった。作戦勝ちである。

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 Aには事前にSKEソートをやらせており、その結果は江籠裕奈を1位に据えていたが、10年近い付き合いからすればなんか違うような気もした。それでもひとまずペンライトを貸し、ピンクと黄色をずっと振っておくよう言った。僕はもちろん緑。

 さあ開演である。1曲目は「意外にマンゴー」。冒頭も冒頭で我々の真前に江籠さんがやってきたので2人で高まったし、ここで茉椰さんからの出席確認をすでに終えたのでたいへん満足だった。そこから「ごめんね、SUMMER」「あの頃の君を見つけた」と続く。夏のSKEのライブでごめサマを聞かずには帰れないだろう。それにこの頭3曲、リリース年が程よくバラバラで古参にも新規にも復活にも優しかった。あと曲後のMC中に太田彩夏に指差されたあと(サイが緑だからか)睨まれるなどした(妄想乙)。

 ユニットを5曲挟んだ。前半2曲は背が低い組と高い組、後半3曲は8〜10期/7D2/3〜6期という編成だった。「オネストマン」にて太田彩夏のサイを振ろうとしたところ、2本貸していたため本数が足りなかった。「奇跡の流星群」を回収できたのはデカい。まわりがみんなピンクと黄色にしててステキだった。「キスだって左利き」はみよまるーちゃんが強いな...と思っていたらさとかほと真凛ちゃんが両脇を固めているし美澪ちゃんだっている。隙がまるでない。「強がり時計」を7D2に持ってきたのは太田彩夏の歌の上手さを知らしめるためですよね〜わかるわかる。お姉さん組が「少女は真夏に何をする?」とかいう一番運動量ある曲でウケちゃった。優月がかなり良い味出してた。そのあとお姉さん組でそのままMC入っちゃったのでこのライブ、太田彩夏のMCがないんですよね。そこだけセンスないわ〜。でもくまさんってこんなに上手くしゃべり回せるんだ〜ってなった。たしかにくまさんが身長低い組なのは意外だった。

 全体曲「賛成カワイイ!」「パレオはエメラルド」「無意識の色」で終演。その賛カワの大サビ前の掛け合いで、目の前に茉椰さんが来た。掛け合い中ずっと目の前にいた。あれを爆レスと言わずして何という?声出せてたらより最高だっただろう。まわりに緑は観測していないしあれは誰がどう見ても俺と彼女の「時間」だった。マンゴーで満足して帰らなくて良かった。文字にすると実に陳腐に聞こえるが、あの瞬間の興奮は筆舌に尽くし難い。

 アンコールがなかったのが事実としては悔やまれるが、そんなことはどうでも良いのだ。致死量のレスを浴びたのでちゃんと帰れるかどうか怪しかった。実際2人で居酒屋で盛り上がって終電を逃した。そしてやはりA君は僕の読み通り江籠さんはなんか違ったと言っていた。今回のライブでは社長がお気に召したそう。幕張のトーク会に一緒に行くことになったし、E公演にも連れて行きたい。

 

 いやはや野外ライブ、最高である。

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劇場公演と私

 大前提として劇場公演は最高である。そこで今回、自分は劇場公演をどう見ているのか、何を見ているのか等々を、直近に生で観た3公演を振り返りつつ考えていくことにする。

 なお私は現在、生で観た公演のアーカイブは観ないと決めている。あの場で得た気持ちやその記憶の塗り直しはしたくないと考えるからだ。だからいわゆる詳細な「レポ記事」ではないことを断っておく。それではその3公演について個々に書いていく。

5/16(月) AKB48「僕の太陽」公演@AKB48劇場

 ビンゴは9順くらいだった記憶。下手ブロックの4列目に座った。結果的にはこれが大失敗だった。ユニットとか最後の映像とか何も見えなかったわ。モチベ的に立つ選択肢がなかったしまあ公演自体はふつうに楽しかったから良いけど。きぃちゃんとひななはよく見えた。あとは馬嘉伶を劇場で初めて観たかな?

5/28(土) SKE48 Team S「愛を君に、愛を僕に」公演 初日@SKE48劇場

  • 青海ひな乃・赤堀君江・石塚美月・井上瑠夏・上村亜柚香・北川愛乃・鬼頭未来・坂本真凛・杉山歩南・竹内ななみ・都築里佳・中坂美祐・仲村和泉・野村実代・平野百菜松本慈子

 G列だったので客観的にも決して良い席ではないのだろうけど、初日に入れただけで有難い。それにSには推しがいないので「広く」観たいと思っていたし全然良かった。まずこの公演のクリエイター側が真凛ちゃんの良さをよくわかってると思った。あとは8年半待ったぴよすの「マジ」を見た。慈子と亜柚香の本気も伝わってきた。10期3人の食らいつきようも観てて楽しい。Sの10期は3人ともビジュアルが強い。TKが公演のフォーマットをきちんと勉強したであろうこともひしひしと感じた。推しがいなくても公演は楽しいことを再認識。

6/4(土) AKB48「僕の太陽」公演 向井地美音 生誕祭@AKB48劇場

 ビンゴは7順くらいでセンブロ3列目に着席。チケセンの推し登録日数が4桁なので当選はしたけど、昔ほどの熱量はない。でもそんな状態で観れたのがむしろ良かった。にしてもメンバー強すぎるだろ。ゆいりーが凄いとかは自明すぎるのでまあいいとして、きぃちゃんと愛美が良かった。村山4と込山Kは公演観てるはずだし2人とも握手行ったことあるから良さはある程度知った上で、その期待を大きく上回ってきた。こんなつよつよのメンバーでやる僕太でみーおんしか見ないってのはちょっともったいないと思った。これに関しては俺のみーおんモチベの問題かメンバーが強すぎるせいなのかはわからない。センブロの中では上手寄りの席だったからみーおんのゼロズレは結構あって、みーおん推しとしての楽しみ方もできたとは思う。あとみーおん推しは僕太では上手の立ちが一番楽しめると思うよ。「RUN RUN RUN」と「BINGO!」に全振り。

 この3公演は、今の僕のなかではすべて一応は「推しメン不在の公演」に分類されるのだろう。そういうことにして話を進めさせてくれ。自分の過去のブログを見ると、そういったフラットな視座でいたほうがトータル的な満足度が高いことがわかった。つまりは僕は、劇場公演そのものを楽しんでいるわけで、そこに推しメンが出演しているかどうかはさほど重要ではないのだろう。これは新たな気づきだった。これまで推しメンが出演する公演は、終始推しメンしか見てこなかったが、無意識的にどこかそういう見方に否定的な気持ちもあったのだろう。じゃあ推しメンがいても「広く」観れば良いじゃんという話なのだが、それもそれで違う気がする。それができるなら「推しメン」などという言葉で差別化を図る必要がない。

 劇場公演というのは、それこそ市川愛美さんの言葉を借りれば、メンバーとかファンとか、そういう括りを越えてそこにいる人間が「一体」となれる場所なのだと思う。セルフ推しカメラでは、その一体感は満足されないのではないかと思う最近である。

 サイリウムをはじめとするグッズも近頃は携えていない。生誕祭等での統一サイリウム企画のときだけ配布されたものを使う。「一体」への参加の意思としてはクラップや振りコピで十分だということと、色を変えたりしていて大事なところを見損ねた、なんてことがあっては本末転倒だと感じるからだ。

 全員同じ色にする企画は良いと思うけど、それぞれが特定の色にするのってレス乞食みたいでちょっと下品に見えちゃう。全員がそうではないと思ってますよ念のため。推しサイは、アナタのファンはここにいますよ、という安心感を与えるためのものであってほしいしあまりそれ以上であってほしくない。それにさ、そのレスってオタクを「個」としてでなく「色」として判別された上のレスなわけじゃん。その手のオタクなんてたいてい認知されたい欲望のかたまりなわけでしょ。その程度のレスで良いわけ?と思いますね。

 僕は「知られたい」「名前覚えられたい」が元々ないし、握手会が再開されるまでトーク会は見送ろうと思っているうちに「握手したい」「話したい」すらなくなってきた。僕の中のアイドルが文字通りの「偶像」に近づいてきているのだろうか。そしてその「偶像」の謁見が唯一許される場所が劇場なのである。今の僕にとっては劇場はそれほど神聖な場所だという位置づけだ。

 話は戻って、では推しメン制度を廃せば良いかというとそういうことでもない。菅原茉椰さんと太田彩夏さんが推しメンなのは事実である。コロナ前は握手会に行っていたので認知なるものがあるのも事実だ。それに僕は菅原茉椰さんと太田彩夏さんが好きなことが先行するのでSKE48が好きだという感覚はあまりない(たぶんこれは栄オタとしては稀有)。つまり箱推しというわけでもないということだ。これはどういうことかといえば、先述のとおり推しメンがいない公演も楽しいし、何ならそっちのほうが劇場公演としての楽しさはより感じられるかもしれないが、一方で、箱推しではない手前基本的には推しメンのいない公演にはわざわざ応募しないし、そのために名古屋にまで行く気はしないというのもまた事実であるということである。

 過去のブログを見ると、推しメンがいない状態で観れたのがむしろ良かった系感想はNMB劇場に多いことに気づく。NMBは最愛の推しが卒業したので明確な推しを作る気はないが、アイドル以外で大阪に行く理由ができたので、彼女の卒業後もNMBの劇場公演はちょくちょく観ている。そして今回のAKB劇場での気づきを踏まえると次のように説明できる。AKBとNMBはそもそも推しがいない(=存在しない)のですべての公演が「推しメンがいない公演」なのである。またAKB劇場は千葉県在住の僕には気軽に行ける場所だし、NMB劇場は行くとしてもそれだけが目的ではなくなったことで、大阪遠征の満足度が劇場公演だけに依存しておらず、せっかく大阪まで来たのに云々の気持ちにはなりにくいのだ。他方SKEは推しメンがいる(=存在する)ので推しメンの姿を拝みたい気持ちがどうしても出てくるし、名古屋に行くのはSKE48に用があるときだけなので、推しのいない公演でも楽しいのはわかっていても、推しの姿が見れないと知りながら新幹線に2万出したり、高速バスに6時間揺られたり、推しのいない公演を投げたある種の罪悪感だったりを考えるとどうにも割に合わないと思ってしまうのだ。だから僕はKⅡ公演やE公演に応募するし、SKE劇場に限っては推しメンばかりに目をやる。ただしそこで得られる満足感は、劇場公演からではなく推しメンから受け取っているものなのだろう。今回は例外的にSの初日に応募して当選したので、劇場公演としての楽しさをSKE劇場でも享受できたのは良かった。それにS公演はほんとうに良い公演なのでSに推しがいるなら絶対に観るべきだと思う。しかし、私に限ればよほどのことがなければS公演に応募することはないのかなとも思う。って書いてるけどおまえ今度の返金保証公演申し込んでるよな?(追記:外れた)

 最後に、このような考えを押し付ける気などは一切ないことは申し述べておく。私だって栄には一応サイリウムは持って行くようにはしているし。

 48オタにおいて、贔屓のグループの地域に住んでおらず、さらには別グループの劇場が近くにあるオタク諸氏においては、一度そこの劇場公演に行ってみてはどうだろうか。ただし僕の考えでは推しメンは作る必要はないと思うし作らないほうが良いと思う。もし推しメンができたらその日からはn足(n∈ℕ,n≧2)のわらじでも良いじゃないか。AKB48劇場の現行「僕の太陽」公演はとても良い。新チームが始動してきてチーム公演がメインになる前に一度観てほしい。

 自分の内なる考えを知るきっかけをくれた向井地美音さんに感謝申し上げたい。だがAKB48の最新シングル「元カレです」を、向井地美音生誕祭公演で観るというのは、今の僕には刺さるものがあったことを申し添えて、筆を置かせていただく。

大阪がさらに「近く」なった日

 前回の野球記事を、旅全体として書いたものが本記事である。気持ちの順序としては、①京セラ行きたい、しかしそれだけってのもちょっと...②NMB公演が当たれば京セラに行こう、③それならお笑いも観よう、という具合だ。これは土日だからできた芸当だと思う。平日であれば、お笑いと野球、お笑いとNMBはハシゴできたが、野球とNMBの時間が重なっているのだ。土日であれば、野球は昼間に行われ、NMBは昼夜2公演のことが多い。そして夜公演に見事当選したので、野球とお笑いと移動の手配をした。

 選んだお笑いライブはよしもと漫才劇場「GWだよ!よしもと漫才ライブ」。最近気になっているハイツ友の会の漫才を一度生で観てみたかったのだ。他の予定も考えると行けるのは10時公演のみ。すると9時半にはなんば入りする必要があるが、夜行バスなんて選択肢はそもそもないので新幹線か飛行機かという話になってくる。GWの遠出を見越して学割を取得していれば話は違ったが、学割なしに新幹線に乗るのは少々痛手に思えたので行きはANA羽田-伊丹を選択(LCC成田-関空は良い時間の便がなかった)。帰りは1泊してLCCという手もあったが、日帰りが好きなので仕方なく新幹線で帰ってきた。

 羽田7:00の便だったので、6時には羽田空港にいた。最寄りだと始発でも間に合わないので1つ先のターミナル駅までバイクで行き、そこの始発で向かった。起床時間は3時半だった。

 9時にはなんばに着いており、まだ動き始めていないなんばの街を初めて見た。もう大阪でも何のためらいもなくマックに入れる僕は、朝マックを貪りながら開場時間を待っていた。朝マックで思い出したが、囲碁将棋と金属バットの大宮差しライブで友保さんが「マクド朝マック」と言っていて、“朝”が付くと“マック”なのか、と思った。

 ギリギリで買ったので席もO列とあり、どれくらい後ろなのだろうかと思っていたらなんと最後列であった。関西の劇場は芸人の出番順まで発表されるのだが、寄席を「出囃子イントロクイズ」だと思っている僕としてはこのシステムはあまり好まない。よって香盤表は見ずに着席。漫才は5分で演者が変わるので3時半起きの身体でもなんとか見ていられたが、新喜劇でついに堕ちてしまった(ごめんなさい)。その後に換気タイムがあり、後半パートではお目当てのハイツ友の会のほかにも、ミキ、ジャルジャル霜降り明星などの有名所もそろっており、楽しめた。が、やはりハイツ友の会を生で拝めたのがいちばんうれしい。6/17(金)の単独ライブ、誰か一緒に行きませんか?

 寄席が終わると心斎橋の「シネマート心斎橋」に移動。毎月発行される「DOKUSOマガジン」という映画冊子をもらうはずが、無かった。大阪だと梅田でも配布しているが、京セラに行く手前、あきらめて早いうちに新宿武蔵野館へ行こうと決めた。まあ、ショウショウがルミネ出番のある日にでも。

 そして心斎橋駅から鶴見緑地線ドーム前千代崎駅へ。駅のつくりだったり、隣にイオンがあるあたりも、ナゴヤドーム前矢田駅にそっくりだという感想を持った。野球については前回の記事に譲ることとする。

 京セラドームからNMB劇場への移動は、乗り換えのない阪神電車に乗るのが賢いように思えたが、行きの地下鉄で駅員が、帰りは混雑するから先に切符を買っておくよう言っていて、モバイルSuicaだが紐付けているクレカの上限がきていた僕は言われたとおり地下鉄の切符を買っていたので、心斎橋で御堂筋線に乗り換えてなんばへと向かった(戻ったともいう)。

 地下鉄内や劇場の待機列で野球の情報を追っていた。9回裏ツーアウト満塁サヨナラのチャンスは現地で見たかったと悔やみつつ、僕がいた7回までにも逆転のチャンスは何回かあり、それを決めきれなかったことへの嘆きもあった。今後どうなるかはまだわからないが、この日の僕は間違いなくオリックスファンであった。

 NMB劇場のこの日の演目は貞野チームN「夢中雷舞」公演。N公演のセトリはかなり好きだと過去の自分がツイートしていたが、そのセトリを覚えておらず、どうやらかなり自分好みのセトリだという情報のみで臨んだ。出演メンバーも俺の綾乃が出ないとわかった以降は関心がなく、サイリウムも持って行かなかった。もしサイリウムがあったらしんしんの推しサイを振ってた気もするけど、そこまでする必要があるかといえばないので。

 それに「推しのいない公演」もそれはそれで楽しい。フラットな視座をもつことで見えてくるものはある。今回だとレスをくれたしんしんと言いたいところだけど、やっぱり羽諒ちゃんですよ。「休戦協定」や「夢中人」のときの彼女は特に最高だった。笑顔によって“まわりの人を”笑顔にできるのは魅力であると同時に才能だと思った。コロナ前のN公演で「シャワーの後だから」をやっていた彼女にコレジャナイ感があったので、今回それをプラス方向に拭えたのが良かった。

 僕がこの公演を好きなセトリだと宣う所以として、この演目は「SKEフェスティバル」公演に似ているのだと思う。それは重複している曲が2曲あるという単純な理由だけではないはずだが、その答えはまだ出せていない。今後の議題としたい。

 撮って出しを買い、新大阪駅へと向かった。当然窓側の指定席はほとんど埋まっており、C席を買わざるを得なかったが、幸運にもN700S系だったためスマホの充電はできた。東京着が22:57、バイクを停めてある駅に着いたのが23:44、家に着いたのは0時半よりは前だったのでほぼ日帰りといえるだろう。

 名古屋に行くのは今のところSKE48のためだけだ。しかし大阪はNMB48のほかにお笑いや野球という目的が増えそうな気配がある。もしかしたら僕にとって大阪は名古屋以上に「第2のホームタウン」になるかもしれない。

ハマりたい(加藤史帆の声で)

 今回のテーマは【野球】である。自分は『MAJOR』は全巻揃えるくらい好きな作品であるが、生身の人間が行う野球はどうにもおもしろさが見出せていなかった。しかしプロ野球に多くのファンがいる事実と、ワタクシも大人だということから、それをツマラナイなどと断罪したりはしないどころか、おもしろさを見出したいし、自分も「そちら側」に行きたいという気持ちがつねにあった。端的に言えば、僕はプロ野球にハマりたかったのだ(①とする)。

 この手の感情が僕にはよくある。これまで普通の友だちとして接していた人間が急にアイドルオタクの門戸を叩いたときがあった。それがSKE48NMB48だったらうれしかったものだが、彼は日向坂46へと向かわれた。このときに日向坂46にハマりたいという思いが芽生え、その彼とドキュメンタリー映画を観に行った。今はそこまでウォッチしているわけではないが、松田好花さんを推しメンに決めて、ミーグリに参加するなどもした。

 少し乱暴にまとめれば、「(とりわけ仲の良い)他人の興味があるものに一定の興味がある」のかもしれない。ある友人とは定期的にこういった「趣味の交換会」をしており、かなり楽しい。僕を知る人各位、一度あなたの休日にお供させてほしいし、一緒にアイドルを観に行ってほしい。

 さて前置きが長くなったが、僕の好きな漫才師のうちにタモンズというコンビがいる。漫才はもちろんのこと、彼らのトークが好きなので、芸人というより野球ファンのおっさんとしてやっている彼らのYouTube「オリの晩酌」も観るようになった(②とする)。

 ①,②より、オリックスの試合を観てみたいと思うようになってきたのだ。そこでプロ野球にも明るいオタ友にいろいろ尋ね、どうせなら最初はホームでという話になった。すると京セラであればお笑いやNMBと絡めた遠征をしようと計画していた。

 それが実現したのが2022年5月8日(日)なのである。10時マンゲキ、14時京セラ、18時NMBで回した。公演の時間的に野球は早抜けしてしまったが、公演を捨てるかどうか正直かなり悩んだ。それほどに人生初の野球観戦は楽しめた。オリックスファンかと聞かれればまだ微妙なところではあるが、少なくともあの時間はオリックスファンとして観戦できた。頓宮のホームランや楽天の一打勝ち越しの場面での見逃し三振には声が出た。

 野球においてその球団のファンになるタイミングとはどういうときなのだろう? とはずっと思っている。そもそもアイドルオタクとしての僕が「箱」をそこまで意識していないというのもあり(好きなのはあくまで菅原茉椰と太田彩夏であるという認識)、よくわかっていない。丸が好きなのかカープが好きなのかみたいな話だ。

 球団のカラーのようなものをある程度把握できたときにまた考える部分はあるだろうが、いまの僕にはまだそれがないので、どんな試合でもその瞬間は座った側の席のチームのファンとして楽しめる気がする。

 まあせっかくだしオリックス始めたい気持ちもあるけれど、関東民でしょおまえってのもあるし、状態としてまだ純真無垢なのであなたの好きな球団に僕を連れ込みたい方はぜひご布教ください。もしかしたらもしかするかもしれないです。

 

 遠征プランやマンゲキとNMBにも触れた記事も、もう一本別に書こうかなと思っております。

変わったようで、変わっていない

 最近はお笑いの寄席を観に行くことが多く、アイドルはどうしたのかと聞かれることも少なくない。僕としては「劇場に足を運んで演者のパフォーマンスを観る」ことをしているまでなので、何も変わっていないのだが。それにアイドルオタクを完全にやめた(やめられた?)わけでもない。今回は久しぶりに遠征したので記事を残しておこうと思ったところである。

 

2022.02.04(金)

本公演 2回目

@なんばグランド花月

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 お目当てはこの次の公演だったのだが時間があったのでこちらも観ることに。新喜劇がコロナでなくなった影響で漫才師がNGK祇園花月に急遽招集されているようで、今回だとザ・パンチ2丁拳銃がそれに当たる。吉本の強みが発揮されていると思った。

 公演はルミネや幕張では見かけない面々ばかりでとても楽しかった。まず前説から始まることの新鮮さや驚きがあり、そこでいったん相乗効果というコンビ名を覚え、終演後とりあえずググるというところまではした。本編では特にザ・ぼんちオール阪神・巨人の漫才を生で観られて感激であった。息の合い方が若手の比ではなかった。公演前にワッハ上方の資料館に行ったのだが、そこでの企画展示にて西川きよしの「相方のテンポをつかむのに最低5年はかかる」という言葉が印象に残っており、彼らの漫才を観たときに50年という時の長さを少しだけ感じられた気がした(御年23歳)。あとそれならヨネダ2000って半端ないな、とも。桂文枝の締めの言葉が「また大阪に、いらっしゃーい!」なのも純粋に笑えて良かった。

 

2022.02.04(金)

Dr.ハインリッヒ単独ライブ『原液、形而上学

@なんばグランド花月

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 このために大阪に来た。なぜ千葉県在住の僕がわざわざこの世の中にてある程度危険を冒して来阪したかといえば、「配信がないから」である。なぜ配信がないかというと、出囃子を使いたいからだそうだ。寄席でいつも聞く「サイキック No.9」をはじめ、彼女らの単独は漫才ごとに異なる出囃子が用意されていた。自身の出囃子で登場するというのはテンションが上がるそうだ。

 本番1週間前の大宮バックスライブにて幸さんは「まだ1本もネタができていない」と言っていて、烏滸がましいので心配などはなく、そこからどんなものを魅せてくれるのだろうと俄然楽しみになった。

 実際のところとても「高波動」なひとときだった。まずセットが素晴らしい。着想を得たのが海浜幕張駅と聞いて、千葉県民の我々はピンときた上で笑えたし、昨今囁かれているハインリッヒ幕張芸人説に説得力を与えているようだった。

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(セットがこちら。なんとおふたりより大きい)

 ネタに関しては知っているネタが2つほどあったがそれへの喪失感は別になく、純粋に漫才を淡々とやってくれた良い意味で飾らない60分だった。幕間のVTRや漫才師のコントも良いのだけど、ハインリッヒの単独はこれでなきゃ、となった人が多いのではないか。おふたりの「世界」を存分に堪能させていただいた。

 先述したが最近は幕張にいらっしゃることも多く、これからも寄席に足を運ばせていただく所存であり、次の単独もぜひ行きたい。

 

2022.02.05(土)

吉田朱里プロデュース「Will be idol」公演

@NMB48劇場

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 NMBに関しては2020年の5月だったか6月だったかに最愛の推しメンが卒業なさったので以降はあまり注力して見てはいなく、7期からはよくわかっていない。でもこのフラットな感じで観られたのがむしろ良かったのかなとも思う。研究生公演だから尚更。気分的にはハインリッヒ単独のついでだったけども、行って良かったと思った。

 セトリも絶妙で、それぞれの「アイドル」を表現できる場となっていた。さまざまな表情を魅せてくれた隅野和奏さん、丁寧なダンスで場を作っていた李始燕さん、この日センターを務めた瓶野神音さん、ソロ曲やそのタッパで存在感を発揮していた黒田楓和さん、小柄ながらに大きな動きが目を引く早川夢菜さん、初日が遅かったことで他のメンバーに遅れを取りながらもこの公演で着実に力をつけてきている芳野心咲さん、メンバーとアイコンタクトをたくさん取って楽しそうな姿が印象的な誕生日前日の浅尾桃香さん、と、気付いたら全員の記述ができてしまった。思った以上にハマっていたようである(笑)。

 この公演はこの日の夜が千秋楽だったので僕にとっては最初で最後の参戦となるが、新生チームBⅡにて、それぞれが見つけた「アイドル」をまた魅せてほしいと思うし、観に行きたいと思った。お笑いライブに行くようになったことで、大阪で得られるものはアイドルオタクだけだったコロナ前よりは大きいはずだ。

 

2022.02.08(火)

SKE48 Team E「菅原茉椰生誕祭イベント」

@SKE48劇場

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 21歳の生誕祭は開催されなかったのでそれを除けば19歳、20歳と3回連続で菅原生誕には入っている。推しメンが推しメンとなるのに理由はいらないはずだが、今回彼女のスピーチを聞いていて、なぜ僕が菅原茉椰を推しているのか、敢えて言語化するならば「人間らしい」ところにあると思ったのだ。思えば彼女を知り、そして“何か”を感じたのも世界選抜総選挙でのスピーチだった。M-1優勝したら引退するという某名人の表現を借りるなら【にん】がオタクに、あるいは僕に浸透しているということだろうか。

 今回のスピーチにて「ファンと方向性が違って悲しませることもあった」と言っていて、ちょっと引っかかったので書いておこうと思う。たしかにその「方向性」次第ではファンは増えたり減ったりするとは思うのだけど、主体はあくまでご自身なのだからそこまで気にしないでほしいと思った。オタクにはそれぞれ理想のアイドル像がきっとあって、そのときの推しメンとそれをいちいち重ねて考えてしまう。それが噛み合わなくなったときに推し変というのは起こり得るのだと思う。それを「あちら」側から表現すると「方向性の違い」となるのだろう。逆に、どんな「方向性」でもある程度は許容してついていくのが、あるいは見守るのがファン(オタク)の役割だとも思う。

 僕自身も活動休止付近、あるいは復帰付近は正直見ていてつらいものがあったので彼女からは離れていたのでたいそうなことは言えないが、今の彼女のアイドル人生は、再び観ていきたいと思っている。

 今回コロナの影響で、公演でなくトークイベントでの生誕祭開催となったが、それこそ【にん】は公演より平場のほうがより発揮するものなので、僕としては人間らしいアイドル菅原茉椰をこれでもかというくらい感じられて良かった。また、ソロ歌唱パートにて「遠距離ポスター」を披露したのだが、制服×ベレー帽は最強なのはもちろんのこと、このパート、とても良い企画だと感じた。推しメンだけを観ていられるし、選曲や衣装など、スピーチとはまた違うところで“らしさ”をそれぞれ感じることができる。公演復活してもやってほしいくらい。

 

 

 と、まあ遠征の記録を綴っておく。来週また山梨に行くんですけどもとりあえずここまで。

推しメンと選抜

 SKE48 Team KⅡ「最終ベルが鳴る」公演を最前で観たのは7月7日(水)のことだった。1列目は現在潰されているので正確には2列目だが、実質最前である。コロナの影響もあってか事前に座席がわかるシステムになり、最前を把握しながら名古屋に向かうことができるのである。これは遠征民にとってはありがたいことだ。電車で角席に座れなくても、高速バスに6時間耐久するのも、その日だけは「それが何? こっちは最前だけど?」と大きく構えていられる。一方であまり褒められた行為ではないが、席が芳しくないからとキャンセルすることもできるようになった。

 この日出演の12人だったら推しメンは太田彩夏一択であり、赤・オレンジ・黄の3本のサイリウムを終始振っていた。認知とかいうやつは一応あるので出席確認は早々に済み、最前ならではの致死量のレスを浴びた。これは推しメンに限らない。途中で水野愛理に何度も殺されかけた。あとぼくはさあや(入内嶋涼)が好きかもしれないです(爆)。

 お見送りでも推しメンから反応をいただき、最高の気分で劇場を出た。まだ時間に余裕があったので名古屋駅まで歩くことにした。その道中でこの日は20:30から新曲絡みの配信があることを知り、歩きながらそれを聴くことにした。その配信では新曲の選抜発表が行われた。ここ最近のSKEの選抜発表の方式は「映像」であるので、音だけを追っていた僕はいったん立ち止まって映像を観ることにした。このときに僕は何を願っていたかというと、「そこ(選抜)に菅原茉椰がいること」だったのだ。自分のこの思いに気づいた瞬間、とても悲しくなった。one推しメンを最前で見てきてあれほど遊んでもらった30分後、真っ先に願うのはその推しメンの初選抜入りではなくanother推しメンの選抜復帰なのか、と。単純に比較はできないかもしれないが、one推しメンのパフォーマンスを最前で楽しんだことより、another推しメンの選抜復帰を知ったことのほうがうれしさでは勝っていたような感覚さえあるのだ。

 これらの気持ちはどういうわけあって出てきたものなのだろうか、と、考えてみることにする。僕としては、完全な「平等」ではないにせよ、少なくとも「1推し:◯◯,2推し:△△」といった明らかな順位付けはしてこなかったし、考えるのをどこか避けてきた気もする。生誕祭をベースに考えるなら、年が明ければ菅原茉椰モードになるし、夏本番かというときに太田彩夏モードになるので一時的な趨勢の変化はあるが、トータル的には大きな差は認められないと思っていたのだ。だがどうやらそうではない可能性が浮上してきたので悲しくなったのだろう。当人も薄々気付いてはいたのだろうが、その気持ちに向き合おうとせず騙し騙しやってきたに違いない。ただこの人(ぼく)がやっかいなのは、チーム単位で考えたらKⅡのほうが好きなんじゃないかってところなんすよ·····。

 また、太田彩夏は選抜に入りたいってことをそんなに発信してるわけではないというのは要因にありそうだ。もちろん選抜に入りたいと思わないメンバーはいないと思うが、それを口に出せるほどの自信も実績もないとモバメで言っていた。では菅原茉椰はというと、20歳の生誕祭にて「選抜に戻ります!」と力強く言ってみせた(生誕祭レポ記事はこちら)。ゆえに、こと「選抜」においては僕の感情はより菅原茉椰にあるのは間違いないと思う。あと一応言っておくとだから太田彩夏はダメだなんてひとことも言ってませんからね。行間を読む前に本文を読んでくれ。

 アイドル菅原茉椰はとても人間的。アイドル太田彩夏はもはや友達よ。どっちが良いとかそういう話ではない。ってことにさせてほしい。ただ今回は「選抜」というワードにたまたま敏感だった茉椰さんのほうに思わず気が行ってしまったのだと。

 

 菅原茉椰と太田彩夏を共にシングル選抜で見るというのが栄オタとしての僕の夢。

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